ビジネス WinDbg入門 アクティブなスレッドと非アクティブなスレッド


プログラマとその管理者

 Bjarne Stroustrup氏(Mr.BS)のインタービュー記事を読む連載最終回の今回は、前回に引き続き次の公開記事を読みます。

 1996年3月25日インタービュー記事新リンク先

 本日は、公開記事内の次の質問へのMr.BS回答を詳しく検討します。

・The people who manage programmers--- are they themselves programmers?

 これといった語学的に難しい箇所はないと思います。この質問は、プログラマを管理する立場にある人々の実像を尋ねています。

 プログラマと管理者は相互に独立したプロという、歴然とした区別ができていれば問題はないのでしょうが、現実はそれほど単純ではありません。特に、我が国のように、ソフトウェア輸入大国で、かつ、"終身雇用制"が依然として実効定着している社会では、大変難しい問題です(管理者ではなく、管理職ですからね)。筆者は以前次のような興味ある記事を読んだことがあります。たいへん面白いですから、ぜひお時間のあるときに目を通してください。決して難しい記事ではありません。

SEの定義

 それでは、Mr.BSの回答を見てみましょう。同氏は、プログラマを管理するのはプログラマ出身の管理者である場合もあると述べています。しかし、その管理の実態といえば、15年以上前のプログラミング経験を基にした管理であり、十分なものではない、と念を押しています(筆者とStroustrup氏の対話)。結論としては、このような人物は管理者としての資質に問題があるということになります。この点は、設計と実装を重んじるMr.BSの性質を表しているといえるでしょう。同氏は、プログラミング言語は時代の子であり、発想は時代とともに変化すると述べています。発想の変化を軽視したり、理解できない人は、管理者失格(管理職の地位には付けるかもしれませんが...)でしょう。Mr.BSは、CとC++では発想が異なると述べ、それを理解する重要性を認識しない人が多い、と嘆いています。

 Mr.BSは、回答の中で"look into"という表現を使用しています。"look into"は、英語辞書などでは、"調べる、検討する"と説明されていますが、どちらかといえば、同じ文内の"out of touch"の意味を加味し、"問題を肌で直接感じとりながら分析する"という意味を持つと考えたほうが無難でしょう。管理職ではなく、プロの管理者は、自分の技術力の低下をなんとしても防ごうとするものです。"あそう、適当に対処しておいて..."ではなく、"どれどれ..."という姿勢が必要です。Mr.BSの頭の中には、古い(プログラミング)技術は"古い発想"という等式があるのかもしれません(アルゴリズムの実装詳細などはそれほど変化していないと思いますが、発想と表現力は大いに変化していますから、あっても不思議ではないと思います)。Mr.BSは、"CプログラミングとC++プログラミングでは、スタイルが異なる"、などと繰り返し発言しています。

 Mr.BSは、確かにC++を設計し、最初に実装した人です。しかし、同氏は、その後のC++発展・改善に責任を持ち、常に研究を怠りません(一見楽しそうに見えますが、一部の開発者から批判されたりと楽しいことばかりじゃないようです)。同氏が唱えるC++設計思想は、Java、C#、PHP5などの新しい言語の世界を実質的に"支配しています。Mr.BSとC++設計思想を学んで損をすることは何一つありません。

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本日は2008-12-04です。