Herb Sutter氏のこの論文を紹介する第9回目の今回は次の段落を取り上げます。まずは原文と訳文(要点訳)をご覧ください。
Quick: What’s the clock speed on the CPU(s) in your current workstation? Are you running at 10GHz? On Intel chips, we reached 2GHz a long time ago (August 2001), and according to CPU trends before 2003, now in early 2005 we should have the first 10GHz Pentium-family chips. A quick look around shows that, well, actually, we don’t. What’s more, such chips are not even on the horizon?we have no good idea at all about when we might see them appear.
Well, then, what about 4GHz? We’re at 3.4GHz already?surely 4GHz can’t be far away? Alas, even 4GHz seems to be remote indeed. In mid-2004, as you probably know, Intel first delayed its planned introduction of a 4GHz chip until 2005, and then in fall 2004 it officially abandoned its 4GHz plans entirely. As of this writing, Intel is planning to ramp up a little further to 3.73GHz in early 2005 (already included in Figure 1 as the upper-right-most dot), but the clock race really is over, at least for now; Intel’s and most processor vendors’ future lies elsewhere as chip companies aggressively pursue the same new multicore directions.
We’ll probably see 4GHz CPUs in our mainstream desktop machines someday, but it won’t be in 2005. Sure, Intel has samples of their chips running at even higher speeds in the lab?but only by heroic efforts, such as attaching hideously impractical quantities of cooling equipment. You won’t have that kind of cooling hardware in your office any day soon, let alone on your lap while computing on the plane.
この段落は次のような意味を持っています。
注目:現在使用しているマシンのCPUクロック数はどれくらいだろうか。10GHzでないことは確かだろう。Intelのチップの場合、最大クロックスピードは2001年夏に2GHzに到達している。2003年以前のCPUクロック数の上昇傾向からいけば、2005年の早い段階で10GHzのPentiumファミリが出荷されているはずである。しかし、実際にはそのような高速CPUファミリは見当たらない。さらにいえば、10GHzレベルのCPUに関するロードマップ情報はほとんど公開されていない。10GHzの高速CPUにいつ触れることができるのだろう。
それじゃ、4GHzレベルのCPUの現状はどうなっているのだろう。すでに3.4GHzのCPUは出荷されている。ということは、4GHzが登場するのはそう遠くない未来と考えたいところである。ところがである、そのレベルのCPUでさえ登場するまでかなりの時間がかかりそうな雲行きである。ご存知とは思うが、2004年の半ば頃、Intelは2005年までに4GHzのチップを導入する計画であることを発表した。しかし、2004年秋、その計画は放棄された。本稿執筆時点では、2005年の初めに3.73GHz CPUがやっとのことで出荷されるといわれている。実際に何がおこっているのだろう。それは、スピード競争の終焉である。Intelをはじめとするプロセッサ・ベンダは、その将来をCPUのスピードではなく、マルチコアなどのアーキテクチャに掛け始めている。
4GHzレベルの高速CPUは2005年内は無理としても、近い将来のいつの日か出荷されることになるだろう。Intelは4GHzを超えるスピードを誇るチップを試作しているが、現時点ではおぞましい冷却装置に保護されている。実用化には程遠い。
この連載の前のほうですでに触れたように、IntelはマルチコアCPUの認知度を上げるために、巨額のキャンペーン予算を組んでいます(
マルチコアキャンペーンのための巨大予算)。おそらく、MicrosoftのSutter氏のVC++チームも何らかの協力を行うことになるでしょう。
ソフトウェア業界には、逆風が吹いています。逆風とは、Googleをはじめとする広告ベースのビジネスモデルです。このモデルは、エンドユーザから料金を取りません。今、課金システムが求められています。32ビットから64ビットへ。この流れは、明確な課金システムを保障してくれません。ソフトウェア開発は、慈善事業ではありません。また、たいへん残念なことに、Googleのような力は筆者などにはありません。
Intelの
このページには、膨大な数のマルチコア関連情報が置かれています。Thread Oriented Approach(TOA:スレッド指向アプローチ)などの用語も見えます。私たちは、ソフトウェア開発で生計を立てています。現状はたいへん厳しいものです。マルチコアへの流れが、私たちの生活を少しでも豊かにしてくれることを期待したいと思います。Windows 95やオープンソースソフトウェアの普及過程を振り返ると分かるように、ソフトウェアビジネスがその時々の時流が醸し出す雰囲気でかなり左右されてしまうことは歴史の示すところです。
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