ビジネス WinDbg入門 アクティブなスレッドと非アクティブなスレッド


"タダの昼飯"の意味

Herb Sutter氏のこの論文を紹介する第3回目は次の段落を取り上げます。まずは原文と訳文をご覧ください。なお、筆者は、論文翻訳の許可をSutter氏から直接取っております。

The Free Performance Lunch

There’s an interesting phenomenon that’s known as “Andy giveth, and Bill taketh away.” No matter how fast processors get, software consistently finds new ways to eat up the extra speed. Make a CPU ten times as fast, and software will usually find ten times as much to do (or, in some cases, will feel at liberty to do it ten times less efficiently). Most classes of applications have enjoyed free and regular performance gains for several decades, even without releasing new versions or doing anything special, because the CPU manufacturers (primarily) and memory and disk manufacturers (secondarily) have reliably enabled ever-newer and ever-faster mainstream systems. Clock speed isn’t the only measure of performance, or even necessarily a good one, but it’s an instructive one: We’re used to seeing 500MHz CPUs give way to 1GHz CPUs give way to 2GHz CPUs, and so on. Today we’re in the 3GHz range on mainstream computers.

この英文は次のような意味を持っています。
「パフォーマンス」という名の"タダの昼飯"

IT業界にはいくつかの面白いジョークがある。その一つは、"Andyが作ったものをBillが奪ってしまう"というものである(参考)。プロセッサのスピードがどれほど上がったとしても、ソフトウェア開発者はそのデルタ分を平らげる新しい技法を常に編み出してきた。CPUを10倍速くすれば、ソフトウェアは10倍の量を処理できるようになるだろう(効率面には10分の1以下に感じてしまうこともあるが...)。ほとんどの分野のアプリケーションはこの数十年の間、CPUパフォーマンス向上に定期的に"タダ乗り"してきた。開発者は新たなバージョンを出荷したり、特別なことを何もしなくとも、担当したアプリケーションの性能は自然に改善されてきた。"タダの昼飯"の第1提供者はCPUメーカーであり、ディスク製造業者は第2提供者であった。彼らの努力もあり、ソフトウェア業界は信頼できる「最新かつ高速な」システムの恩恵を無料で享受できた。クロックスピードはパフォーマンスを図る唯一の物差しではないし、場合よっては、不適切なこともある。しかし、CPUクロックは貴重な指標である。500MHzのCPUが1GHzになり、そして、やがて、2GHzに登りつめる。私たちはこのような現実を目の当たりにしてきた。今日、主要なコンピュータには3GHzを超えるCPUが搭載されるようになった。

これまで使い慣れたアプリケーションを新しく購入したコンピュータで起動したら見違えるように速くなった!。このような経験は誰もが持っているものです。そのアプリケーションは"タダの昼飯"にありつけたわけです。そのアプリケーションの担当開発者は何もしていません。そのアプリケーションのユーザも何もしていません。CPUメーカーとディスクメーカーが提供してくれた"タダの昼飯"を平らげただけです。

これまで使い慣れたアプリケーションを新しく購入した高速CPU搭載コンピュータで起動してもそれほど速くなったとは思えない!。このような経験も、多くの人がしているところです。原因はどこにあるのでしょう。Sutter氏の議論はさらに奥に進みます。

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本日は2008-12-04です。