ビジネス WinDbg入門 アクティブなスレッドと非アクティブなスレッド


普及活動の基本

 Andrew Koenig氏は、"C++の思想的な価値"を普及させようとしています。なぜC++の価値を普及させようとしているかといえば、それは、C++は同氏の開発した製品といってよいからです。Koenig氏は、C++設計者のBjarne Stroustrup氏とともにC++の発展と国際標準化作業に深く関与してきました。

 C++の価値をどのように広めればよいのでしょうか。Koenig氏は、確かに、C++の価値を熟知しています。しかし、問題はその普及プロセスであり、広報プロセスです。筆者の知人の中には、有益なソフトウェア製品を開発している人がいます。彼はそれを売り、組織運営と新技術開発のための資金を確保しなければなりません。適切な販売方法と広報方法を考え出すことは、ソフトウェアを開発する能力とはまったく異なる能力と発想が要求されます。日々の経費(オーバーヘッド)は膨らみます。

 C++の場合、1998年8月に国際標準言語の地位を獲得しています。この意味では、C++の知名度は十分といってよいでしょう。しかし知名度だけでは、C++が多数の開発者に受け入れられる保障はありません。C++の価値を分かりやすく説明し、IT業界にきちんと理解してもらう必要があります。C++設計者のBjarne Stroustrup氏自身、"C++は難しい言語であり、それゆえ、適切な学習方法がある"と主張しています。C++普及の鍵は、C++の適切な学習方法の確立とその分かりやすい説明に他なりません。

 Koenig氏は、この論文の中で、次のようなことを述べています。

・C++の学習では、まず第一に、標準ライブラリを学ぶことが大切である
・C++の学習では、すべての機能を学ぼうとせず、必要な機能をまず学ぶべきである

 この論文には、「A note to experienced C and C++ programmers」という項目があります。皆さんは辞書を片手に、じっくり精読してみるとよいでしょう。そして、本「IT談話館」のこの一連の連載を繰り返し精読するとよいと思います。軽い読み物を読むのはそれなりに楽しいものですが、得るものは少ないのが現実です。硬い内容のコンテンツをしっかり読み、その合間に軽めのコンテンツを楽しんでみてはいかがでしょうか。

 日経BP社はかつて、IT技術者に関するこのような調査結果を発表してくれました。基本的には、開発者の多くは基本ができていない、有能な開発者を育てる教育環境が不十分、ということです。本「IT談話館」は筆者個人で運営していますが、数少ない教育機関だと思います。皆さんの同僚、知人、友人の方にぜひ、この「IT談話館」の存在を教えてあげてください。

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本日は2008-12-04です。