ビジネス WinDbg入門 アクティブなスレッドと非アクティブなスレッド


なぜ普及させるのか

 "普及させるソフトウェアの選択"。これはたいへん難しいことです。筆者の知人の一人は、開発者派遣や受託開発、ならびに、販売代理業などを営んでいます。その知人は他の人が開発した製品を代理販売する場合、"その製品にほれ込む必要がある"と述べています。

 "普及させるソフトウェアにほれ込む"。これもまたすごいことです。いくら知名度があっても、その製品を自分なりに使いまわし、その機能と性能にほれ込まない限り、代理営業を継続することは難しいことでしょう。筆者はなんとなく分かるような気がします。

 Andrew Koenig氏は、"なぜC++の思想的な価値を普及させよう"としたのでしょう。この疑問への回答はきわめて簡単です。Koenig氏は、C++設計者であるBjarne Stroustrup氏の同僚であり、C++の価値を作ってきた当事者の一人だからです。さらにいえば、C++を国際標準プログラミング言語まで押し上げた一人でもあるからです。プログラミング言語C++は、設計思想的に優れ、それを支える人生観と世界観も間違いなく一級である、と確信しているからでしょう。

 Koenig氏は、ここで、次のようなことを述べています。

Our approach is possible only because C++, and our understanding of it, has had time to mature.

 この文は、"C++が成熟の域に達するまでには時間が必要であった。C++の理解度の深まりにも、同じように、時間が必要であった"、という意味です。これは、"何事も一朝一夕に完成しない"ということと同じです。裏を返せば、C++の設計思想は価値を持っている、ということです。ご承知のように、C++の価値は、現在のほとんどのプログラミング言語に継承されています。筆者はこのような事実を認識し、現代のプログラミング言語のほとんどは、C++思想の影響下にある、と考えています。実際、C++の世界からJavaやC#の世界を見た場合、それは"その世界はC++世界の縮図"のように映ります。筆者は、プログラミング言語C++を支える人生観、世界観は一級であるだけではなく、ソフトウェア開発に関与しない普通の人々さえ感動させる、普遍的な奥行きさえ持っていると感じています。

 C++設計者のBjarne Stroustrup氏は、このような栄誉を手にしています。プログラミング言語を設計・開発しただけでは、これらの栄誉を手にすることは無理でしょう。C++を支える「考え方」や「発想」、あるいは、教養・見識が高く評価されたと解釈すべきです。

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本日は2008-12-04です。